違和感– tag –
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監視アプリ
大学2年の春、彼女と同棲を始めた。1Kの狭い部屋だったが、ふたりで暮らせるだけで楽しくて仕方がなかった。 彼女は少し嫉妬深い性格で、「浮気だけは絶対に許さないからね」とよく言っていた。そんな冗談めかした脅しも、最初のうちは可愛いと思っていた... -
おかえりの声
高校生の俺は、いつもより遅い時間に塾から帰宅した。家に着いたのは午後10時過ぎ。玄関の鍵を開けて中に入ると、暗がりの中から母の声がした。 「おかえり」 「ただいま」と返し、靴を脱いで部屋に入る。母の姿は見えなかったが、居間のテレビがついてい... -
もう一人のお兄ちゃん
僕の部屋の隣には、母子家庭の兄妹が住んでいた。兄は小学3年生くらいで、妹はまだ5歳ぐらい。いつも明るくて元気な声が聞こえてくる。母親は夜遅くまで働いているようで、子どもたちは夕方から夜まで二人きりのようだった。 僕の部屋と彼らの部屋は壁一枚... -
間違えて送っちゃった
高校時代の友人グループで、今でもよくグループLINEが動いている。 大学に進んだり就職したりして、全員バラバラになったけど、近況報告とかたまに飲み会の予定を立てたりして、ゆるくつながってる。 ある日、グループLINEに一件のメッセージが届いた。 ──... -
あいさつの家
その家は、挨拶をすると返してくれる家だった。 会社の後輩・仁志が新築の一軒家を購入したということで、週末に遊びに行った。郊外の住宅街にあり、周囲も静かで落ち着いた雰囲気だった。 仁志は「いい土地が手に入った」と嬉しそうに話していた。そして... -
家族写真
彼女の実家に初めて挨拶に行った日のことだ。玄関をくぐると、廊下にずらりと家族写真が並んでいた。親戚や子供のころの写真もあり、温かい家庭なんだなと思った。 彼女の母親が出迎えてくれ、少し緊張しながらもリビングでお茶をご馳走になった。「うちの...
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