足跡– tag –
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		  止まったエレベーターその日は、仕事が押して帰宅が深夜になった。 同僚とのやりとりで気疲れしていた僕は、無言で電車に揺られながら、早く布団に倒れ込みたいと願っていた。 ようやく最寄駅に着き、閑静な住宅街を歩く。人通りもなく、街灯の下に自分の影が細長く伸びてい...
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		  風鈴の鳴る夜夏の夜、祖母の家に泊まりに行ったときのことだった。 その家は山あいの集落にあり、木造で、年季の入った建物だった。昼間は蝉の声が響き、のどかな雰囲気が漂っていたが、夜になると一変する。虫の声以外、何も聞こえない静寂の中、風の音だけが妙に耳に...
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		  ベランダの男大学に通うために一人暮らしを始めたアパートは、築年数は古いものの、駅からも近く、家賃も安かった。周囲は静かで、隣人の物音もあまり聞こえない。最初のうちは快適だった。 ところが、ある日から違和感を覚えるようになった。 夜になると、ベランダの...
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