意味怖– tag –
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閉店後のコンビニ
大学生の頃、夜勤のバイトでコンビニに勤めていた。場所は郊外の住宅街にある小さな店舗。夜間の客は少なく、深夜2時を過ぎればほとんど来ない。 バイト仲間は同い年の斉藤という男で、二人で交代しながら勤務していた。基本はワンオペだけど、深夜の2時か... -
おかえりの声
仕事で遅くなったある夜、終電に間に合わず、最寄りの駅からタクシーを使って帰宅した。 家に着いたのは午前1時過ぎ。玄関を開けると、どこか懐かしいような匂いがした。実家のような、落ち着く匂い。 靴を脱ぎ、リビングに入ると、テレビがついていた。そ... -
お届けものです
平日の昼下がり、在宅勤務中にインターホンが鳴った。画面を見ると、宅配業者らしき男性が立っている。 「お届けものですー」 特に注文した覚えはなかったが、Amazonの注文履歴に覚えのない商品がよくあるので、深く考えずに玄関を開けた。 受け取った荷物... -
落とし物の持ち主
近所のスーパーに買い物に行った帰り道。道端に落ちていた赤い手袋にふと目がとまった。 片方だけ。子供用だろうか、小さくて、可愛らしい柄だった。 そのとき、すぐ近くに女の子が立っているのに気づいた。6〜7歳くらい。まっすぐこちらを見ていた。 「あ... -
忘れ物
高校の頃、毎朝同じ時間に登校していた。通学路には小さな神社があり、通るたびに手を合わせていたのを覚えている。 ある日、珍しく寝坊してしまい、急いで家を飛び出した。普段より20分遅い時間。人気のない通りを駆け抜け、神社の前を通り過ぎたときだっ... -
留守番電話の声
一人暮らしを始めてから半年ほど経った頃。ある日、携帯に着信履歴が残っていた。非通知だったが、なぜか気になって留守番電話を再生してみた。 「……たすけて……たすけて……」 かすれた女性の声だった。聞き取れるのはその一言だけで、あとは何かを擦るよう... -
封筒の中のメモ
引っ越しの荷ほどきをしていたとき、古びた封筒が出てきた。 見覚えのない封筒だったが、差出人欄には自分の名前が書かれていた。筆跡も、自分のものに見える。 中には、小さく折り畳まれた一枚の紙が入っていた。 『絶対にこの部屋に戻ってくるな』 意味... -
引っ越し祝い
会社の異動で、少し田舎の町に引っ越した。 とはいえ、自然が多く、家賃も安くて広い。職場からも近く、環境としては申し分なかった。 引っ越し初日の夜、インターホンが鳴いた。出ると、見知らぬ女性が立っていた。年の頃は40代後半、地味な服装で、どこ... -
忘れられたカメラ
実家の物置を整理していたときのことだ。埃をかぶった段ボールの中から、古いデジタルカメラが出てきた。僕が中学生のころに買ってもらったものだ。 懐かしくなって電源を入れてみたが、バッテリーが切れていた。充電器も見つかったので、久しぶりに動かし... -
大丈夫、鍵はかけた
一人暮らしを始めてからというもの、私は戸締まりにはとても気をつけている。特に夜寝る前には、玄関の鍵を二重にチェックするのが習慣だ。 そんなある晩、寝ようとしていた時、スマホにメッセージが届いた。「今日ってさ、鍵ちゃんとかけたよね?」送信者... -
一人暮らし
大学進学を機に、念願の一人暮らしを始めた。古いけど広めのワンルームで、家賃も安い。何より「完全に一人になれる」ことが何よりの魅力だった。 最初のうちは少し寂しさもあったけど、慣れてくるとむしろ快適。誰にも気を使わず、夜中まで動画を観たり、... -
お姉ちゃんの部屋
私は5歳の妹と2人で暮らしている。両親は数年前に事故で亡くなり、身寄りもいなかったため、私が保護者として妹を育てている。 妹は素直で元気で、特に問題もなく、静かな暮らしをしていた。 ただ、一つだけ気になることがあった。 妹が、毎晩眠る前に言う...