心霊現象– tag –
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窓の外の影
私は学生時代、都内の築40年ほどの古いアパートに住んでいた。 6畳一間の狭い部屋だったが、駅から徒歩10分以内という立地の良さに惹かれて決めた部屋だった。 住み始めて数日後、ふとした違和感に気づいた。 夜になると、必ず窓の外に“誰か”が立って... -
四階の部屋
大学時代の友人・田村が、妙な物件に住んでいた。 築年数が浅く、見た目もきれいなのに家賃が相場よりずっと安いという。 「怪しいだろ?」と笑いながら案内されたそのアパートは、外観も内装も普通だった。 ただ、ひとつだけ奇妙なことがあった。 そ... -
白い廊下の奥
大学を卒業してすぐ、就職先の都合で地方都市に引っ越した。 右も左もわからない土地で、慌ただしく新生活が始まった頃、不動産会社から紹介されたのが、少し古びたマンションの一室だった。 内装はリフォームされており、小綺麗で家賃も手頃だった。 ... -
戻った目
僕の部屋には、小さな棚がある。そこに古びたぬいぐるみが一体、置かれている。 白くて、くたびれたウサギの形。母が幼い頃に買ってくれたもので、捨てるタイミングを逃してそのままになっていた。 片目が取れかけ、耳もほつれていて、正直言って少し不... -
赤い女の部屋
社会人2年目の春、私は念願だった一人暮らしを始めた。 都内では珍しい2DKで、築年数の割に家賃も安かった。 最初の内見のとき、部屋の空気はどこかひんやりしていた。 でも、日当たりも良くて間取りも悪くない。引っ越し業者の見積もりも取って、私は... -
あの部屋には入らないで
私たち家族がその家に引っ越してきたのは、春の終わりだった。夫の転勤先に近く、築年数の割に妙に安い家賃に惹かれて契約を決めた。 古い一軒家で、六畳三間の和室が続く作り。少しカビ臭かったけれど、掃除すればなんとかなると思った。ただ、二階の一番... -
電話ボックスの女
その電話ボックスは、私の地元のはずれにある公園の横にぽつんと建っていた。今どき誰が使うのかと思うような古いボックスで、周囲の雑草も伸び放題。けれど、なぜか撤去されずに残っていた。 高校の頃、放課後に友人と肝試しをしたことがある。目的地はそ... -
手形の窓
大学時代の友人、渡辺が住んでいたマンションには、少し奇妙な噂があった。彼が借りていたのは10階建ての最上階、角部屋。ベランダの向こうには隣の建物もなく、風景を遮るものがない開放的な部屋だった。 「景色がいいから気に入ってるんだよ」と彼は言っ... -
二度鳴るチャイム
会社からの帰宅が遅くなった平日の深夜、時刻は0時を過ぎていた。駅から自宅までは歩いて10分ほどだが、人通りもなく、あたりは静まり返っていた。 マンションのエントランスをくぐり、自室のある3階へと階段を上る。オートロックを解除してから玄関の鍵を... -
最後の通話
大学時代の同級生・村上が突然事故で亡くなった。飲酒運転の車にはねられ、その場で即死だったという。通夜に参加した夜、帰宅した私は村上との思い出に浸りながら、彼の名前が登録されたスマートフォンの連絡先を眺めていた。 そのとき——突然、スマホが鳴... -
深夜のエレベーター
友人の佐々木が一人暮らしを始めたのは、築年数の古い10階建てのマンションだった。家賃が安い代わりに、エレベーターは古く、ボタンを押してもすぐに来ないことが多かったという。 ある晩、深夜0時を回った頃、仕事帰りの佐々木がマンションに戻ると、1階...
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