心霊– tag –
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階段の女
大学時代、私はサークルの仲間たちと廃墟探索に出かけることが多かった。 ある夏の夜、心霊スポットとして噂の廃ホテルへ行くことになった。 そのホテルは、山中にある5階建ての古い建物で、10年以上前に火災事故が起きて廃業したという。 メンバー... -
優しい隣人
大学進学で一人暮らしを始めた春、私は格安のアパートに引っ越した。 2階建ての古びた建物で、壁が薄く、隣の部屋の音がよく聞こえるような場所だった。 けれど、家賃が安いぶん、文句は言えなかった。 引っ越してからしばらくして、隣の部屋の住人が... -
風の通り道
大学生の頃、僕は地方の古びたアパートで一人暮らしをしていた。 築40年近く、木造二階建て、家賃は格安だったが、隣室との壁が薄く、風の強い日は建物全体がギシギシと軋んだ。 2階の角部屋、201号室。そこが僕の部屋だった。 日当たりは悪くなかった... -
写真立ての向き
僕の部屋には、小さな木製の写真立てがひとつある。 中には、小学校の卒業式の日に撮った、家族全員の写真が収められている。 その写真は、父と母、僕と妹、そして祖母の五人が玄関先に立ち、にこやかに笑っているものだ。 今はもう亡くなった祖母の姿... -
隣の部屋の住人
私は大学進学を機に、地方から東京へと引っ越してきた。 築年数は古いが家賃の安いワンルームマンション。都心からは少し離れているが、通学には不便しない場所だった。 引っ越し初日の夜、荷ほどきもそこそこにベッドに入ろうとした時、隣の部屋から「... -
廃トンネルの声
大学の夏休み、友人4人と肝試しに行くことになった。目的地は地元でも有名な心霊スポット、「〇〇峠の廃トンネル」。20年以上前に土砂崩れで通行止めになった古いトンネルで、事故や自殺が多発したと言われている。 深夜1時、私たちは懐中電灯を手に、その... -
赤い靴の足音
高校時代の話だ。当時、通学路の途中に使われていない廃校があった。木造の古い建物で、フェンスの向こうに校舎がひっそりと建っていた。 ある日、クラスの男子数人と肝試しをしようということになり、夜にその廃校を訪れた。 入口のフェンスは壊れていて... -
夜の神社と足跡
私が大学時代、地元に帰省していたときの話だ。ある晩、幼なじみのタケルと深夜ドライブをしていると、山のふもとにある古びた神社の前を通りかかった。 「なあ、肝試しでもしないか?」 タケルがそう言ってきた。彼は昔から怖いもの知らずで、私の嫌がる... -
最後の手紙
僕には幼い頃から仲の良い親友がいた。名前は健太。何をするにも一緒で、学校でも家でも、兄弟のように過ごしていた。 中学に入るとクラスが別になり、次第に話す機会も減っていった。それでも、たまに手紙を交換しては、近況を伝え合っていた。 手紙なん... -
余った写真
大学のゼミ仲間と旅行に行った。男3人、女2人の合計5人。卒業も近かったし、みんな予定を合わせて温泉地へ1泊2日の小旅行だ。 旅館でのんびり過ごし、帰りの電車を待っているときに、ひとりが「みんなで写真撮ろう!」と言い出した。スマホで何枚も写真を...
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