写真の謎– tag –
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最後の一部屋
そのアパートは、地元でも“訳あり物件”として知られていた。家賃は相場の半額以下。築年数は古いが、駅にも近く間取りも悪くない。 俺は引っ越しを急いでいたし、他に空き物件もなかったから、不安を飲み込み契約することにした。 「この部屋だけ、ずっと... -
おかえりの声
仕事で遅くなったある夜、終電に間に合わず、最寄りの駅からタクシーを使って帰宅した。 家に着いたのは午前1時過ぎ。玄関を開けると、どこか懐かしいような匂いがした。実家のような、落ち着く匂い。 靴を脱ぎ、リビングに入ると、テレビがついていた。そ... -
おじいちゃんの話
祖父が亡くなったのは、俺が小学校6年生の夏だった。その年は特に暑く、蝉の鳴き声がやけにうるさかったのを覚えている。 祖父は昔から無口な人で、よく縁側に座って外を見ていた。俺はそんな祖父が少し怖かったが、たまに話してくれる昔話はどこか不思議...
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