ストーカー– tag –
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見守る隣人
大学に進学して、一人暮らしを始めたのは昨年の春だった。 家賃を抑えたくて選んだのは、築30年近い古いワンルームアパート。駅から徒歩15分、最寄りのコンビニまでは坂道を下らないといけない立地だ。 ただ、内見のときに対応してくれた管理人さんが... -
ただの通行人
ある日曜の午後、近所の公園を散歩していたときのことだ。その公園は小さな池と遊具があるだけの、のどかな場所で、私は休日になると読書をしに訪れるのが習慣だった。 その日も、ベンチに腰掛けて本を読んでいた。30分ほどたった頃、ふと視線を感じて顔を... -
いつも見てます
在宅ワークに切り替えてからというもの、部屋にいる時間が格段に増えた。 特に外に出る理由もなく、朝から晩までPCに向かい、たまに食事や風呂で動く程度。人との接点も減り、顔を合わせるのは宅配便の配達員くらいだった。 ある日、ポストに小さな紙が入... -
隣人のノート
一人暮らしを始めて3ヶ月。隣の部屋には30代くらいの男性が住んでいた。見た目はおとなしそうで、あいさつをすれば軽く会釈を返してくる程度。 特に問題もなく過ごしていたが、あるときから妙な違和感を覚えるようになった。 朝、玄関前にゴミ袋を置いて出... -
隣人のカメラ
私が今のマンションに引っ越してきたのは、春先だった。最上階の角部屋で、日当たりも良く、駅からも近い。完璧な物件だと思っていた。 ただ一つ、少しだけ気になる点があった。 隣の部屋の住人が、いつもこちらを見ていることだった。 引っ越しの挨拶をし... -
駅で待っていた男
会社帰り、いつものように夜10時過ぎの電車に乗った。駅のホームはほとんど人がいなくて、電車もがらがらだった。 俺はつり革に掴まりながら、スマホでニュースを見ていた。 ある駅で乗客が1人乗ってきた。スーツ姿の中年男。顔はよく見えなかったが、やけ... -
手紙の送り主
ある日、ポストに手紙が届いていた。差出人は不明。消印もない。 宛名は俺のフルネームで、明らかに手書きだった。中を開けてみると、紙にびっしりと文章が書かれていた。 『あなたをずっと見ていました。笑った顔も、泣いた夜も、眠っているときも。あな... -
知らない番号の男
大学1年の頃、スマホに突然、見覚えのない番号から着信があった。非通知ではなく、市内局番だったので「誰かの間違いかな」と思い、無視した。 だが、次の日も同じ番号から電話が来た。試しに出てみると、無言のまま数秒が経ち、最後にひとことだけ聞こえ... -
見つけたのは、どっち?
高校の帰り道、ふと気まぐれでいつもとは違う道を通ってみた。住宅街の中にある細い裏路地。人通りは少なく、街灯もまばらで、静かすぎるほどだった。 角を曲がったとき、道の先に誰かが立っているのが見えた。中年の男だった。ボサボサの髪、よれたスーツ... -
録画に映った男
一人暮らしを始めて半年が経った頃、妙な出来事が起こり始めた。 最初は、深夜2時ちょうどにインターホンが鳴るだけだった。モニターを確認しても、誰も映っていない。風の音か、通りすがりの誰かが間違えて押したのかもしれないと思い、その日は特に気に... -
背後の足音
夜11時過ぎ、仕事帰りにコンビニへ立ち寄った。買い物を済ませて家へ向かう途中、普段よりも少し近道をしようと、駅裏の細い商店街を抜ける路地を選んだ。 周囲には人影もなく、静まり返っていた。途中、背後からコツ……コツ……と、誰かの足音が聞こえてきた... -
鍵垢の彼女
彼女とはSNSで知り合った。共通の趣味があり、最初はDMで軽くやり取りをしていただけだったが、徐々に会話は毎日続くようになり、やがて通話をするようになった。 アイコンはイラスト、名前もハンドルネーム。リアルの情報はほとんど明かさない子だったが...
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