怪談– tag –
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見てはいけない窓
大学2年の夏、友人から格安のアパートを紹介された。ボロいけど駅からも近く、家賃は相場の半額以下。怪しいとは思ったが、金もなかったし、見た目もそれなりだったので契約することにした。 ただ、ひとつだけ気になる点があった。部屋の北側に小さな窓が... -
二階にいるのは誰?
大学時代、下宿していた古い一軒家。家賃が異様に安く、部屋も広かったため即決したが、大家から引っ越しのときに一つだけ注意された。 「夜中、二階には行かないように」 理由を聞いても、「古い家だから、音がするのは気にしないように」と曖昧に濁され... -
風鈴の鳴る夜
夏の夜、祖母の家に泊まりに行ったときのことだった。 その家は山あいの集落にあり、木造で、年季の入った建物だった。昼間は蝉の声が響き、のどかな雰囲気が漂っていたが、夜になると一変する。虫の声以外、何も聞こえない静寂の中、風の音だけが妙に耳に... -
午前二時のチャイム
僕の住むアパートには、昔から妙な噂があった。 「午前二時にチャイムが鳴ると、誰かがいなくなる」 くだらない都市伝説だと思っていた。けれど実際、過去にこのアパートで失踪した住人が何人かいたらしい。管理人もはっきりとした原因は分からないと濁す... -
鏡に映る女の怪談
高校時代の話だ。 部活動の関係で、僕は毎日遅くまで学校に残っていた。ある日、終電近くの時間に校舎のトイレを使った。深夜の学校というだけで不気味なのに、僕が入ったのは“旧校舎”のトイレだった。 そこは、何年も前に取り壊される予定だったが、予算... -
隣人のメモ
大学進学を機に、一人暮らしを始めた。 築年数は古いが広めのワンルームで、家賃も格安だった。駅からも徒歩5分。条件は文句なしだったが、ひとつだけ気になることがあった。 隣の部屋の住人が、異様に静かだったのだ。 物音ひとつしない。ドアの開閉音す... -
見知らぬ名前の表札
就職して3年目の春、会社の近くに引っ越した。 内見のときから、どこか薄気味悪さを感じてはいたが、家賃の安さと立地に惹かれ、深く考えずに契約した。 引っ越し当日、玄関の表札に気づいた。「佐々木」と書かれていた。 前の住人のものかと思い、不動産... -
電話ボックスの女
その電話ボックスは、私の地元のはずれにある公園の横にぽつんと建っていた。今どき誰が使うのかと思うような古いボックスで、周囲の雑草も伸び放題。けれど、なぜか撤去されずに残っていた。 高校の頃、放課後に友人と肝試しをしたことがある。目的地はそ... -
廃トンネルの声
大学の夏休み、友人4人と肝試しに行くことになった。目的地は地元でも有名な心霊スポット、「〇〇峠の廃トンネル」。20年以上前に土砂崩れで通行止めになった古いトンネルで、事故や自殺が多発したと言われている。 深夜1時、私たちは懐中電灯を手に、その... -
赤い靴の足音
高校時代の話だ。当時、通学路の途中に使われていない廃校があった。木造の古い建物で、フェンスの向こうに校舎がひっそりと建っていた。 ある日、クラスの男子数人と肝試しをしようということになり、夜にその廃校を訪れた。 入口のフェンスは壊れていて... -
隣人のノート
一人暮らしを始めて3ヶ月。隣の部屋には30代くらいの男性が住んでいた。見た目はおとなしそうで、あいさつをすれば軽く会釈を返してくる程度。 特に問題もなく過ごしていたが、あるときから妙な違和感を覚えるようになった。 朝、玄関前にゴミ袋を置いて出... -
裏山の祠
私の祖父母の家は、山に囲まれた小さな村にあった。子どもの頃は毎年夏休みにそこへ行くのが楽しみで、自然の中で自由に遊べることが何よりの喜びだった。 しかし、村にはひとつだけ「絶対に近づいてはいけない」と言われていた場所がある。 それが、**裏...