ヒトコワ– tag –
-
置き配カメラ
引っ越してから2週間が過ぎた頃、妙なことが続けて起きた。通販で頼んだ荷物が、「置き配」にしたはずなのに、玄関に届いていないのだ。 最初は配達ミスかと思った。だが、同じことが3度も続いた。 不審に思って、宅配ボックスも確認したが、どこにも荷物... -
隣の部屋の人
社会人になってから住み始めたアパートは、築年数は古いが駅からも近く、家賃も安かった。間取りは1K。隣の部屋との壁は薄く、くしゃみや咳払いが聞こえるほどだ。 入居して3日目の夜だった。夕飯を終え、テレビを見ていると、壁の向こうからコツ、コツ、... -
忘れ物係
大学1年の春、俺は近所の小さなスーパーでバイトを始めた。そこは古びた商店街の一角にあり、地元の年配客が多かった。 仕事内容はレジと商品補充が中心。バイト仲間のTさんは俺より2つ年上で、優しくて丁寧な人だった。 ある日、Tさんが「忘れ物を預かる... -
出入り自由の部屋
俺は数年前、都内の安アパートに住んでいた。ボロいが駅からも近く、家賃が格安だったので即決だった。 間取りは1Kで、築40年近い木造。隣の部屋とは薄い壁一枚で仕切られており、物音はほぼ筒抜けだった。だが、住人同士の関わりはほとんどなく、俺にとっ... -
鍵垢の彼女
彼女とはSNSで知り合った。共通の趣味があり、最初はDMで軽くやり取りをしていただけだったが、徐々に会話は毎日続くようになり、やがて通話をするようになった。 アイコンはイラスト、名前もハンドルネーム。リアルの情報はほとんど明かさない子だったが... -
忘れられない訪問者
大学時代、私は下宿で一人暮らしをしていた。ある日曜の昼下がり、インターホンが鳴った。 モニターを見ると、20代後半くらいの男が立っていた。「すみません、このあたりに○○さんという方、お住まいじゃないですか?」と人当たりのよさそうな笑顔で尋ねて... -
隣の部屋の住人
大学進学を機に、一人暮らしを始めたアパートは、古びた木造2階建て。家賃が安く、多少の生活音が響くのは覚悟のうえだった。 引っ越してしばらくして、気になることがあった。夜中、隣の部屋から「うっ、うっ……」と、抑えたようなすすり泣きが聞こえるこ... -
おかえりって言ったよね?
会社からの帰りが少し遅くなったある晩、私はマンションのエントランスでエレベーターを待っていた。 深夜0時を過ぎた静まり返ったロビー。誰もいないはずなのに、後ろから「カツ……カツ……」と足音が近づいてくる。 なんとなく振り返れずにいると、耳元で「... -
無言の客
私は都内の個人経営のカフェでバイトをしている。平日の夜は客も少なく、ほとんどが常連か近所の会社員だった。 ある日、閉店1時間前の午後9時頃、一人の女性客が来店した。30代前半くらい。長い黒髪で、薄いベージュのコートを羽織っていた。印象的だった... -
もう一人の住人
私が住んでいるマンションは、都内にあるいわゆる「ワンルーム」タイプで、学生や独身者が多く暮らしている。その中でも、私の部屋は角部屋で、片隣は空室になっていると聞いていた。 ある日、夜にコンビニから戻ると、隣の部屋の前に誰かが立っていた。暗... -
隣人のカーテンは、なぜ開かないのか?
大学進学を機に、私はある古いアパートへと引っ越した。築40年のその建物は多少の不便はあったものの、駅近で家賃も安く、学生にはありがたい物件だった。 私の部屋は2階の端。隣の部屋には、20代後半くらいの男性が住んでいるらしい。しかし、私はその人...
12