このスレ見てる人いますか?

深夜、SNSを見ながらダラダラしていた俺は、たまたま古い掲示板のまとめ記事にたどり着いた。
タイトルは《【怖】このスレまだ見てる人いる?》というもので、2016年に立てられたスレらしい。

読み始めると、スレ主が「夜中に窓の外をずっと見てくるやつがいる」と書いていて、
次第にエスカレートしていく恐怖体験がリアルに綴られていた。

・最初は通りすがりの人影
・次は何時間も立ち尽くしていた
・最終的には窓に張りついてこちらを見ていた

ありがちなネタだろうと思いながらも、文章が妙に生々しく、引き込まれてしまった。

その中に、スレ主が画像をアップしている投稿があった。
ブレていたが、確かに窓の向こうに人影らしきものが写っていた。

コメント欄では「ネタ乙」「怖すぎワロタ」などと書かれていたが、
あるレスだけが妙に浮いていた。

「このスレ、今も“生きてる”。窓の向こうから。」

スレは20日ほどで途切れていた。

そして、ページの最後に、こう書き込まれていた。

「このスレを“最後まで読んだ人”は見られている。次は、あなた。」

ゾッとしてページを閉じた。

……ただの釣りスレだ。

そう思って風呂に入り、部屋に戻ると、なぜか背筋が寒くなった。

寝る前にスマホを見返すと、「履歴」にさっきのスレが残っていた。
なぜかタイトルが変わっていた。

《あなた、見てましたよね?》

不気味に思ってスクショを撮ろうとしたが、ページはエラーで消えていた。

その晩、なかなか寝付けなかった。

壁の時計が深夜3時を回ったころ、廊下の物音で目が覚めた。

ガサ……ガサ……と、誰かがカーテンを擦るような音。

恐る恐る体を起こし、窓の方を見た。

……何もいない。

ただ、カーテンの隙間が、少し開いていた。

その後も何日か、夜になると「何かの視線」を感じるようになった。
だが誰にも話せず、部屋のカーテンはいつも閉じっぱなしにした。

1週間後、スマホに通知が来た。

「このスレ見てる人、いますか?」
差出人不明のメッセージアプリだった。

もちろんそんなスレを登録した記憶はない。

通知を開くと、短くこう書かれていた。

「お前の部屋、カーテン黒くなったな」

そのメッセージが届いたとき、俺はカーテンをグレーから黒に替えたばかりだった。

誰にも言っていないし、SNSにも載せていない。

あのスレがネタだったとしても──
“あれ”は、まだ誰かの窓の外に立っている。

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