怪談– category –
怪談カテゴリでは、心霊体験や不思議な出来事を題材にしたフィクション・実話を中心にご紹介。深夜に読むと眠れなくなるような話が揃っています。
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三階の窓
俺が中学生のころに通っていた学校は、戦後すぐに建てられた古い校舎で、ところどころにヒビが入っていたり、床が軋んだりしていた。 中でも不気味だったのが、旧校舎の三階。普段は使用されていないが、美術準備室だけがそのフロアにあり、授業のたびに誰... -
呼ばれた名前
これは、大学時代に山奥のロッジに泊まりに行ったときの話だ。仲の良い友人4人での小旅行。季節は秋。紅葉が美しい場所で、バーベキューと星空を楽しもうという計画だった。 ロッジは古かったが、雰囲気があり、夜になるとあたりは完全な闇に包まれた。携... -
赤い手形の部屋
大学4年の春、就職も決まり、最後の学生生活を楽しむために、友人3人と一緒に旅行に出かけた。行き先は山奥の温泉地。旅館ではなく、安く借りられる古民家風の一軒家に宿泊することにした。 その家は、木造で築年数が相当経っていたが、風情があり、雰囲気... -
閉じ込められたのは私じゃない
高校時代の話だ。俺の学校では「旧校舎の3階には絶対に入るな」という噂があった。 理由ははっきりしない。ただ、何年も使われていないその一角は、常に鍵がかかっていて、教員すら近づこうとしなかった。当然、生徒たちの間では心霊スポットとして有名で... -
耳鳴りの部屋
社会人2年目、引っ越し先を探していたときの話だ。都内で家賃5万円台の1Kという好条件の物件を、不動産サイトで偶然見つけた。立地も駅から徒歩10分以内、築年数もそこまで古くはない。まさに掘り出し物だった。 すぐに内見を申し込むと、不動産会社の担当... -
エレベーターの奥
大学2年の春、俺は古いマンションに引っ越した。都内にしては破格の家賃。駅からも近くて条件はよかったが、築年数は40年以上で、エレベーターも昭和感のある機械式だった。 「安い理由はこれか」と思ったが、当時の俺にはそんなことどうでもよかった。と... -
午前2時のチャイム
私が大学生のとき、都内の安アパートで一人暮らしをしていた。築30年の木造2階建てで、壁は薄く、隣室の咳払いすら聞こえてくるような場所だったが、家賃が安いので特に不満はなかった。 ある日の深夜、午前2時過ぎ。ウトウトしていると、「ピンポーン」と... -
閉ざされた階段
高校卒業後、地方の大学に進学した俺は、古びた学生寮に入ることになった。駅から徒歩15分、築50年を超える古い木造の建物で、廊下はギシギシと鳴り、風の強い日には窓が勝手に開いたり閉まったりする。まあ、家賃が安いから文句は言えない。 その寮には“... -
手形の窓
大学時代の友人、渡辺が住んでいたマンションには、少し奇妙な噂があった。彼が借りていたのは10階建ての最上階、角部屋。ベランダの向こうには隣の建物もなく、風景を遮るものがない開放的な部屋だった。 「景色がいいから気に入ってるんだよ」と彼は言っ... -
押し入れの文字
数年前、郊外で一軒家の中古物件を見に行ったときのことだった。駅からは少し離れていたが、庭付きで価格も安く、築年数の割に外観はきれいだった。ネットの写真で見た限りでは申し分ないように思えた。 約束の時間に現地へ行くと、不動産会社の担当者が玄... -
三人目の宿泊客
大学時代、夏の終わりに友人と二人で温泉旅行に出かけた。お互い節約志向だったので、ネットで見つけた格安旅館に泊まることにした。口コミには「古くて不気味だが安い」とあったが、値段の安さに勝てなかった。 旅館は山の中にあり、木造三階建ての古びた... -
七人目の宿泊客
ある山奥に、泊まると「人数が増える」と噂されている古い民宿がある。ネットではあまり情報が出てこないが、地元では有名な話らしく、「気味が悪いけど料理は美味しい」と奇妙な評判が立っていた。 大学のゼミ合宿で、僕たち6人はその民宿に泊まることに...