怪談– category –
怪談カテゴリでは、心霊体験や不思議な出来事を題材にしたフィクション・実話を中心にご紹介。深夜に読むと眠れなくなるような話が揃っています。
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隙間の声
そのアパートに引っ越してきたのは、去年の春だった。 築年数は古かったが、家賃が破格で駅からも近い。多少の古さは目をつぶっても十分な条件だった。 部屋は2階建てアパートの2階、端の角部屋。見取り図を見ると、隣の部屋とは一部の壁でしか接しておら... -
あの部屋のカーテン
大学の近くで一人暮らしを始めたとき、住んでいたアパートの隣の部屋には、ずっと誰も入っていなかった。 古びた外観で、建物全体にうっすらと湿気の匂いが染みついていたが、家賃は破格で、駅にも近い。それなりに満足していた。 だが、ひとつだけ気にな... -
その部屋は誰も入れない
大学進学を機に、地方都市の築年数の古いアパートへと引っ越した。家賃が格安で、駅も近く、条件としては申し分なかった。ただ一点、気になる点があった。 それは、部屋番号が「201号室」だったにもかかわらず、建物には「202号室」がなかったことだ。大家... -
見送りの家
山奥の小さな村に、「見送りの家」と呼ばれる古民家がある。正式な住所は残っておらず、地図にも載っていないが、地元の人々の間では有名だった。 「入った者は、見送られるまで出られない」――そう言われていた。 私は都市伝説を追うライターとして、その... -
誰も知らない階段
私の通っていた高校には、妙な噂があった。校舎裏の体育館とプールの間に、誰も使っていない小さな非常階段があるのだが、「絶対に昇ってはいけない」と言われていた。なぜかと言えば、その階段を昇ると、誰もいないはずの場所に人影が見えるからだという... -
開かずの仏間
私の祖父母の家には、子供の頃から「絶対に開けてはいけない部屋」があった。それは仏間と呼ばれる和室で、仏壇が祀られていたが、私が物心ついた頃には既に鍵がかかっており、家族の誰もその部屋には近づかなかった。 「なんで開けちゃいけないの?」と聞... -
夜だけ歩く廃校舎
地元で有名な“出る”と噂の廃校がある。小高い山の上にぽつんと建つ旧中学校で、十数年前に統廃合で閉鎖されて以来、誰も使っていない。 昔は肝試しスポットとして人気だったが、ある年を境に誰も近づかなくなった。 理由は、**“夜だけ校舎の明かりがつく”*... -
窓の向こうの教室
大学時代、教育実習で訪れたある田舎の中学校。築50年は経っているという古びた校舎は、どこか空気が重たかった。 担当になったのは2年生のクラス。明るい子が多く、授業も順調に進んでいた。だが、ある日、女生徒の一人から奇妙なことを聞いた。 「先生、... -
見てはいけない窓
大学2年の夏、友人から格安のアパートを紹介された。ボロいけど駅からも近く、家賃は相場の半額以下。怪しいとは思ったが、金もなかったし、見た目もそれなりだったので契約することにした。 ただ、ひとつだけ気になる点があった。部屋の北側に小さな窓が... -
二階にいるのは誰?
大学時代、下宿していた古い一軒家。家賃が異様に安く、部屋も広かったため即決したが、大家から引っ越しのときに一つだけ注意された。 「夜中、二階には行かないように」 理由を聞いても、「古い家だから、音がするのは気にしないように」と曖昧に濁され... -
風鈴の鳴る夜
夏の夜、祖母の家に泊まりに行ったときのことだった。 その家は山あいの集落にあり、木造で、年季の入った建物だった。昼間は蝉の声が響き、のどかな雰囲気が漂っていたが、夜になると一変する。虫の声以外、何も聞こえない静寂の中、風の音だけが妙に耳に... -
午前二時のチャイム
僕の住むアパートには、昔から妙な噂があった。 「午前二時にチャイムが鳴ると、誰かがいなくなる」 くだらない都市伝説だと思っていた。けれど実際、過去にこのアパートで失踪した住人が何人かいたらしい。管理人もはっきりとした原因は分からないと濁す...