怪談– category –
怪談カテゴリでは、心霊体験や不思議な出来事を題材にしたフィクション・実話を中心にご紹介。深夜に読むと眠れなくなるような話が揃っています。
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階段の女
大学時代、私はサークルの仲間たちと廃墟探索に出かけることが多かった。 ある夏の夜、心霊スポットとして噂の廃ホテルへ行くことになった。 そのホテルは、山中にある5階建ての古い建物で、10年以上前に火災事故が起きて廃業したという。 メンバー... -
赤いカーテンの部屋
これは、私の叔父が体験したという実話だ。 叔父は若い頃、地方のホテルでフロントスタッフとして働いていた。 そのホテルは山間にある古い建物で、昭和初期から営業を続けている老舗だった。 格式はあるが、設備は古く、特に客室の内装には独特の趣が... -
窓の外の影
私は学生時代、都内の築40年ほどの古いアパートに住んでいた。 6畳一間の狭い部屋だったが、駅から徒歩10分以内という立地の良さに惹かれて決めた部屋だった。 住み始めて数日後、ふとした違和感に気づいた。 夜になると、必ず窓の外に“誰か”が立って... -
四階の部屋
大学時代の友人・田村が、妙な物件に住んでいた。 築年数が浅く、見た目もきれいなのに家賃が相場よりずっと安いという。 「怪しいだろ?」と笑いながら案内されたそのアパートは、外観も内装も普通だった。 ただ、ひとつだけ奇妙なことがあった。 そ... -
黒い部屋
高校時代の話だ。 当時、僕は放送部に所属していて、文化祭の映像企画の準備のため、放課後に校舎内を撮影して回っていた。 撮影係は僕と同級生の安藤。 二人でカメラを持ち、普段立ち入り禁止になっている旧校舎にも足を踏み入れた。 旧校舎はすで... -
風の通り道
大学生の頃、僕は地方の古びたアパートで一人暮らしをしていた。 築40年近く、木造二階建て、家賃は格安だったが、隣室との壁が薄く、風の強い日は建物全体がギシギシと軋んだ。 2階の角部屋、201号室。そこが僕の部屋だった。 日当たりは悪くなかった... -
白い廊下の奥
大学を卒業してすぐ、就職先の都合で地方都市に引っ越した。 右も左もわからない土地で、慌ただしく新生活が始まった頃、不動産会社から紹介されたのが、少し古びたマンションの一室だった。 内装はリフォームされており、小綺麗で家賃も手頃だった。 ... -
止まったエレベーター
その日は、仕事が押して帰宅が深夜になった。 同僚とのやりとりで気疲れしていた僕は、無言で電車に揺られながら、早く布団に倒れ込みたいと願っていた。 ようやく最寄駅に着き、閑静な住宅街を歩く。人通りもなく、街灯の下に自分の影が細長く伸びてい... -
川辺の電話ボックス
僕の地元には、今ではあまり見かけなくなった「電話ボックス」が、ひとつだけ残っている。 それは、町外れの川沿いの土手の近くにぽつんと建っていて、使われている様子もなく、手入れもされていない。 ガラスは少し曇っていて、内部は薄暗く、外から覗... -
午後4時44分の訪問者
大学生の夏休み、僕は田舎の祖母の家に1週間ほど滞在することになった。 祖母はとても元気で優しい人だが、築80年を超える古い日本家屋には、やはりどこか独特の雰囲気があった。 滞在3日目の午後、縁側で本を読んでいた僕に、祖母が話しかけてきた。 ... -
赤い女の部屋
社会人2年目の春、私は念願だった一人暮らしを始めた。 都内では珍しい2DKで、築年数の割に家賃も安かった。 最初の内見のとき、部屋の空気はどこかひんやりしていた。 でも、日当たりも良くて間取りも悪くない。引っ越し業者の見積もりも取って、私は... -
隣の部屋の住人
私は大学進学を機に、地方から東京へと引っ越してきた。 築年数は古いが家賃の安いワンルームマンション。都心からは少し離れているが、通学には不便しない場所だった。 引っ越し初日の夜、荷ほどきもそこそこにベッドに入ろうとした時、隣の部屋から「...