意味が分かると怖い話– category –
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もう一人のお兄ちゃん
僕の部屋の隣には、母子家庭の兄妹が住んでいた。兄は小学3年生くらいで、妹はまだ5歳ぐらい。いつも明るくて元気な声が聞こえてくる。母親は夜遅くまで働いているようで、子どもたちは夕方から夜まで二人きりのようだった。 僕の部屋と彼らの部屋は壁一枚... -
間違えて送っちゃった
高校時代の友人グループで、今でもよくグループLINEが動いている。 大学に進んだり就職したりして、全員バラバラになったけど、近況報告とかたまに飲み会の予定を立てたりして、ゆるくつながってる。 ある日、グループLINEに一件のメッセージが届いた。 ──... -
うちの子じゃない
私には小学2年生になる息子がいる。名前は“リク”。やんちゃだけど素直な子だ。 ある日、学校から電話がかかってきた。 「お母さま、リクくんが給食の時間に嘔吐してしまいまして……」 驚いて迎えに行くと、保健室でうつむいているリクがいた。顔色は悪いが... -
撮ってあげるよ
中学の修学旅行、俺は仲のいい3人と同じ部屋になった。夜にふざけて心霊写真を撮ろうという話になり、スマホを持ち出して廊下や非常階段をうろついた。 深夜2時過ぎ、Aが「一番怖い顔したやつが勝ちってルールな」と言い出した。俺はふざけて白目をむき、... -
ただいま
俺が小学6年のとき、母が事故で亡くなった。父と二人暮らしになって、家の中はどこか静かになった。 それでも、父は毎日夕飯を作ってくれて、俺も学校を休まず通っていた。 ある日、家に帰ると、父が台所で料理をしていた。「おかえり」と言うその声が、な... -
家族写真
彼女の実家に初めて挨拶に行った日のことだ。玄関をくぐると、廊下にずらりと家族写真が並んでいた。親戚や子供のころの写真もあり、温かい家庭なんだなと思った。 彼女の母親が出迎えてくれ、少し緊張しながらもリビングでお茶をご馳走になった。「うちの... -
余った写真
大学のゼミ仲間と旅行に行った。男3人、女2人の合計5人。卒業も近かったし、みんな予定を合わせて温泉地へ1泊2日の小旅行だ。 旅館でのんびり過ごし、帰りの電車を待っているときに、ひとりが「みんなで写真撮ろう!」と言い出した。スマホで何枚も写真を... -
となりの席の子
中学2年のとき、俺の隣の席には「倉田」という女の子がいた。 無口で、いつも下を向いている。誰とも話さず、教科書だけを静かに眺めていた。クラスでもあまり存在感はなかったけど、なぜか俺とはよく目が合った。 ある日、学校帰りに彼女から声をかけられ... -
母からの電話
俺が大学に入って一人暮らしを始めてから、母はやたらと電話をかけてくるようになった。 用もないのに「元気?」「ちゃんと食べてる?」と何度も連絡してくる。最初はありがたかったが、次第にそれが少し重く感じるようになっていった。 ある日、ゼミの帰... -
通学路の男
中学1年の夏頃のこと。俺が通っていた学校では、通学路に立って生徒に挨拶してくる中年の男がいた。 スーツ姿で、いつも同じ場所に立っている。朝になると「おはよう!」と笑顔で声をかけてくるので、俺も最初は軽く会釈していた。 そのうち、男は俺の名前... -
死んだはずの妹
俺には6つ下の妹がいる。いや、正確には「いた」と書くべきなんだろう。 妹は明るくて活発な子だった。よく笑い、よく泣き、俺にベタベタくっついてくる子どもだった。高校生の俺は少し鬱陶しく思いながらも、妹とよく遊んだ。 だが、小学4年の冬、妹は事...
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