意味が分かると怖い話– category –
意味が分かると怖い話(意味怖)カテゴリでは、一見普通の話に見えても、最後に真相が分かるとゾッとする話を集めています。解説付きでお楽しみください。
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帰ってきた娘
その日、娘が無事に帰ってきた。 行方不明になってから丸2日。家族は警察と一緒に山中を捜索し、奇跡的に保護されたという。 保護されたのは、山奥の登山道近くにある小屋だった。ボランティアの男性がたまたま中にいるのを見つけ、通報してくれたらしい。... -
つながった通話
大学時代の友人に、妙な男がいた。 斉藤という男で、特別変わったところはないのだが、「通話が苦手」だと常に言っていた。LINEのやり取りは普通にするし、会えばよく喋る。けれど、電話になると絶対に出ない。こちらからかけても折り返してこないし、「用... -
2つ目のランドセル
小学1年生の娘を持つ父親です。妻と3人で静かに暮らしており、娘の学校生活にもようやく慣れてきた様子で、毎日元気に登校しています。 朝は私が仕事で早いため、娘の登校は主に妻に任せています。夜はできる限り早く帰宅して、夕食を一緒に取るようにして... -
母からのLINE
大学進学で一人暮らしを始めてからというもの、実家の母とはよくLINEでやり取りをしている。母はスマホに詳しくないくせに、頑張ってスタンプを送ってきたり、写真を送ってきたりと、少し過保護気味なところもあるが、それもどこか微笑ましかった。 その日... -
家にいるの、誰?
大学の夏休み、久しぶりに実家に帰った。両親は旅行中で、家には俺ひとり。高校まで過ごした懐かしい部屋で、のんびりする時間は悪くなかった。 2日目の夜。シャワーを浴びたあと、リビングでジュースを飲んでいると、2階からドタドタと足音が聞こえた。 ... -
おやすみの一言
高校生の妹がいる。俺とは5歳離れていて、普段はそれほど会話をしない。妹はおとなしく、読書が好きなタイプで、スマホよりも文庫本を手にしている時間のほうが多い。 そんな妹が、ある晩、リビングで急に話しかけてきた。 「お兄ちゃん、寝る前に『おやす... -
お父さんの写真
小学4年生の娘がいる。名前は美咲(みさき)。少し人見知りだが、家では明るく、よく笑う子だ。 ある日、娘が小学校から帰ってくるなり、嬉しそうに話しかけてきた。 「ねえパパ、学校の図工で“家族の絵”を描いたんだよ!」 「へぇ、どんなの?」 「ママと... -
赤い紐
「それ、何の紐?」 中学の帰り道、クラスメートの理沙が突然聞いてきた。 「え?」 私は気づいていなかったけど、制服の右袖から赤い紐が5センチほど垂れていた。 「どこかに引っかかったのかな」そう言って私は紐を引っ張った。 でも――抜けない。 強く引... -
忘れ物
私は都内の中学校で事務員として働いている。教師ではないが、職員室の片隅に机があり、生徒や先生と日々顔を合わせる。 ある日、3年生のクラス担任の先生が、卒業式の準備で忙しそうにしていた。校内は年度末でバタバタしており、事務作業も山のようにあ... -
赤いリボンの女の子
僕の家の近くには、小さな神社がある。町外れにぽつんと立っていて、昼間でも少し薄暗く、子どもたちにはあまり人気がない場所だった。 けれど、僕はなぜかそこが好きで、小学校からの帰り道によく立ち寄っていた。 神社の脇には大きな木があって、その根... -
おかえりの声
高校3年の秋、受験勉強で夜遅くまで塾に通う日々が続いていた。 家に帰ると、玄関のドアを開けながら「ただいま」と声をかけるのが習慣だった。すると、奥のリビングから必ず「おかえり」と母の声が返ってくる。 疲れて帰る日々の中で、その声は何よりも安... -
赤いランドセル
ある郊外の住宅地での話。私はカメラ好きの男で、休日にはよく近所の公園や街角でスナップ写真を撮っていた。 その日も天気が良かったので、古い商店街の裏路地を歩いていた。細い道の先に、誰もいないはずの空き地が見えた。でもその奥に、小さな女の子が...