ヒトコワ– category –
ヒトコワとは、幽霊よりも人間の怖さを描いた実話ベースの怖い話ジャンルです。身近に起こりそうな恐怖や、ゾッとする人間の心理がテーマになっています。
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見知らぬ名前の表札
大学2年の春、格安のシェアハウスに引っ越した。築年数は古いが、広いリビングと共用のキッチン、各自の個室がある造りで、住人は全部で5人。初対面ながら皆気さくで、すぐに打ち解けた。 ただ、ひとつだけ奇妙なことがあった。 その家には「使われていな... -
貸した鍵
大学時代、私は知人のツテで見つけた格安アパートに住んでいた。築年数は古かったが、駅も近く、家賃も安い。なにより大家さんがとても親切だった。 「困ったことがあったら、いつでも言ってね」そう言って、合鍵を1本渡された。「何かあったときのため」... -
隣人のノート
引っ越してきたのは、3階建てアパートの2階の角部屋だった。家賃も安く、駅からも近い。唯一の不安は、両隣にどんな人が住んでいるかわからないことだった。 右隣の部屋には40代くらいの男性が住んでいるようだった。顔を合わせたのは引っ越し初日の挨拶く... -
隣人のノート
一人暮らしを始めて3ヶ月。隣の部屋には30代くらいの男性が住んでいた。見た目はおとなしそうで、あいさつをすれば軽く会釈を返してくる程度。 特に問題もなく過ごしていたが、あるときから妙な違和感を覚えるようになった。 朝、玄関前にゴミ袋を置いて出... -
やさしい隣人
引っ越してきたアパートは、古くて狭いが家賃が安く、私にはちょうど良かった。隣の部屋には年配の女性が住んでいて、会えば笑顔であいさつしてくれる、感じのいい人だった。 「何かあったらいつでも言ってね。若い人が一人で大変でしょう?」そう言って、... -
無断で片付けられる部屋
私は一人暮らしをしている。築年数は古いが、安くて駅も近く、それなりに気に入っていた。 だが、最近おかしなことが起きるようになった。帰宅すると、部屋の中が少しだけ片付いているのだ。 洗濯物がたたまれていたり、テーブルの上にあったはずのリモコ... -
引っ越し祝い
春先、私は引っ越しをした。都内の古いアパートだが、内装はリフォームされていて綺麗だった。何より、大家さんがとても親切だったのが印象的だった。 「ひとり暮らしは不安でしょう?何かあれば、いつでも声かけてくださいね」 その言葉に少し安心しなが... -
隣人のカメラ
私が今のマンションに引っ越してきたのは、春先だった。最上階の角部屋で、日当たりも良く、駅からも近い。完璧な物件だと思っていた。 ただ一つ、少しだけ気になる点があった。 隣の部屋の住人が、いつもこちらを見ていることだった。 引っ越しの挨拶をし... -
バスの中の見知らぬ女
その日、私はいつも通り仕事を終え、終電間際の路線バスに乗って帰宅しようとしていた。バスは地方路線で、利用客も少ない。街灯の少ない道を、揺られながら走る。 車内には運転手と私を含め、4人ほどしか乗っていなかった。誰も話すこともなく、スマホを... -
押し入れのメモ帳
大学進学で一人暮らしを始めた俺は、郊外の古いアパートに住んでいた。築年数は相当経っているが、家賃が破格だったためすぐに契約した。 引っ越し当日、部屋を掃除していると、押し入れの奥に古いメモ帳が落ちていた。ボロボロの表紙で、ところどころシミ... -
鍵が開いていた部屋
大学1年の春、俺は学生寮ではなく、少し離れた安アパートを借りて一人暮らしを始めた。築40年近いボロアパートで、家賃は格安だったが、防音性はほぼ皆無だった。 隣室の目覚ましが聞こえるほどで、最初はうるさく感じていたものの、だんだんと慣れていっ... -
駅で待っていた男
会社帰り、いつものように夜10時過ぎの電車に乗った。駅のホームはほとんど人がいなくて、電車もがらがらだった。 俺はつり革に掴まりながら、スマホでニュースを見ていた。 ある駅で乗客が1人乗ってきた。スーツ姿の中年男。顔はよく見えなかったが、やけ...