ヒトコワ– category –
ヒトコワとは、幽霊よりも人間の怖さを描いた実話ベースの怖い話ジャンルです。身近に起こりそうな恐怖や、ゾッとする人間の心理がテーマになっています。
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共用廊下の男
大学生になって初めての一人暮らし。それは自由と引き換えに、少しの不安と寂しさが付きまとうものだった。 私の部屋は、築年数が古いが家賃の安い4階建てのアパートの3階にあった。ワンルームで狭いながらも、十分な広さだった。 ただ、ひとつだけ妙なこ... -
隣人は誰にも見えない
都内で一人暮らしを始めて3ヶ月目。築浅・セキュリティ完備・駅近という条件にしては、家賃が少し安いなとは思ったが、特に気にせず住んでいた。 ある日、エレベーターで同じ階の住人とすれ違った。中年の女性で、どこか無表情でうつろな目をしていた。「... -
ずっと見ていた
私はずっと一人暮らしをしている。自宅はオートロック付きのマンションで、セキュリティには自信がある。職場も近く、生活の不便もなかった。 ただ、ここ最近、妙な違和感を覚えることが増えてきた。特に夜。帰宅して玄関を開けた瞬間、誰かの気配を感じる... -
お隣さんはいつも静かだった
大学進学を機に、一人暮らしを始めた。新生活に胸を躍らせながらも、少し不安もあった。初めての街、古びたワンルームアパート。家賃は安く、駅からも近い。何より周囲が静かだった。 私の部屋は202号室。隣の201号室には中年の女性が住んでいると、大家さ... -
シェアハウスの暗黙のルール
数年前、上京して最初に住んだのは、都内の格安シェアハウスだった。6畳の個室にキッチン・風呂・トイレ共同という、よくあるタイプ。築年数は古かったが家賃が安く、何より駅近だったので即決した。 入居当日、出迎えてくれたのは30代くらいの女性・Aさん... -
見守りカメラ
最近、祖母の様子が少しおかしくなってきた。 ひとり暮らしで足腰も弱ってきたので、母の提案で実家に見守りカメラを設置することになった。玄関、リビング、キッチンに小さなカメラを置き、スマホで映像が確認できる。 最初の数日は何事もなく、祖母も「... -
閉じた窓
学生時代、古いマンションで一人暮らしをしていた。7階建ての5階。エレベーターもないボロい物件だったが、家賃が安かった。 ある日、夜中に窓の外から視線を感じて目が覚めた。 時計を見ると午前2時過ぎ。カーテン越しに何かが動いた気がした。 風かな、... -
訪問者リスト
大学の春休みに、知人の紹介でビル管理会社のアルバイトをすることになった。業務内容は単純で、テナントの入れ替え時に空室を巡回したり、防犯カメラのチェックをしたりするだけだった。 問題のビルは、都内の古い雑居ビル。6階建てで、上の階はほとんど... -
二階に行ってはいけない
一人暮らしを始めて半年。アパートの隣の部屋には中年の男性が住んでいた。ほとんど顔を合わせることはなかったが、すれ違えば軽く会釈する程度の、普通の関係だった。 ある日、夜遅く帰宅すると、自分の玄関ドアに紙が貼られているのを見つけた。 《あな... -
誰もいないはずの隣室
仕事の都合で、都内のウィークリーマンションを借りた。築年数はそれなりだが、内装はきれいで、駅からも近い。1Kのシンプルな間取りで、左右の部屋との距離もそれほど近くない。騒音の心配もないと思っていた。 だが、初日の夜。隣の部屋から、かすかな物... -
いつも見てます
在宅ワークに切り替えてからというもの、部屋にいる時間が格段に増えた。 特に外に出る理由もなく、朝から晩までPCに向かい、たまに食事や風呂で動く程度。人との接点も減り、顔を合わせるのは宅配便の配達員くらいだった。 ある日、ポストに小さな紙が入... -
隣人のメモ
大学進学を機に、一人暮らしを始めた。 築年数は古いが広めのワンルームで、家賃も格安だった。駅からも徒歩5分。条件は文句なしだったが、ひとつだけ気になることがあった。 隣の部屋の住人が、異様に静かだったのだ。 物音ひとつしない。ドアの開閉音す...